図書館戦争 12話

ここぞとばかりにマスコミや世論を出すのも何だかなぁ。まぁ、死者が出たことに対して何も言わないような社会だったらそれこそ問題だが。良化法という制度自体を何とかしようとする動きがほとんど見られない上に(せいぜい手塚兄ぐらい)、主人公達にもその意識が見られないお陰で、こればかりは世論の方が正しそうに思えてしまう。
挙句、マスコミを前にした郁が最初法の下での正当性を訴えておきながら、無法で構わないとか抜かす様は何の冗談かと。図書をはじめとする創作物の大事さを説く下りだけ抜き出せば感動的ということで済んだものを。間違った制度云々を声高に言って良いのは、制度を変えるために努力している人間だけで、制度に抗っているだけの人間が安易に言って良いもんじゃない。下手したら、違法と承知で行動している方がタチが悪いと言う話、あるいは日本の法制度自体に反発しているという話になる。そんなの行き着く先はクーデターしかないぞ。
堂上の話はパブロフの犬的に、差し出された頭を堂上がなでて意識回復とラブコメらしく解り易い形で解決。*1微笑ましいのは良い事だが、最後の郁がこけて倒れこむシーンははっきり言って蛇足も良いとこだよなぁ。ていうか手塚と柴崎の方が気になる。
今回で最終回だけど、終始設定が足を引っ張ったと言う印象が拭えなかった。突飛な設定自体はSF作品で光速を超えるぐらい問題ないことなんだが、それを上手く話に組み込み活かせなかったら意味が無いという話。突飛な設定を作ったなら、その設定に説得力を持たせる努力をするべきだろう。ラブコメ話だけ抜き出せば面白いと思える部分も有ったが、ただのラブコメの主人公には設定が重すぎた。
作品全体のクオリティは総じて高めだっただけに、色々惜しい。いっそ見てる人間に深く考えさせないようなテンポや勢いでも加えた方が良かったんではなかろうか。

*1:超どうでも良い事かもしれないが、見舞いに鉢植えみたいな根のある植物は、病院に根付くということで縁起が悪いものとして避けられるもんだと思うが。