RD 潜脳調査室 10話

学校で話題になったネタを別方面からソウタが捜査してて〜って流れは幽霊の時と同じだな。そのときはハルは都市伝説として話題に登るのみであったが、今回はとうとう捕らわれのヒロインポジションに。まぁ、実際は被害者救出を目的とした意図的なものであった訳だけど。
占い師として電脳で人々と接触していたものの正体がAIで、前回出てきたメタルの深層の何かと関連性が有るのかと思ったら、全く関係無かったのは意外だった。むしろ最終的に出てきた地球律こそが重要なキーワードになりそうな感じ。
また、ハルとHAL9000をひっかけて2001年宇宙の旅を持ち出してきたのも面白いところ。宇宙の旅では船長がモノリスに触れて猿が人になったかのごとく人から別の何かになった訳だけど、地球律を求めて海に沈めてもらうAIはAIから別の何かになろうとしているかのように見える。まぁ、作中でも言われた通りハルの方がコンピュータの反乱を止める側ではあったが。
地球表面の陸と海の比率と人体の水分の比率を持ち出して海と人間を関連付けるのはやや強引過ぎ*1。素直に海が生命の源という観点、あるいは純粋に人体の神秘性と海の神秘性などから入れば良かったと思うんだが。この辺の関連付けが説得力無いせいで、ミナモが見せた人の可能性と地球律、それに加えてメタルの海とがそれぞれどうにも結びつき辛い。
あと今回のもう一つのキーワードが鏡の国のアリス。(エンドカードでは帽子屋=ハル、三月兎=ホロン、チェシャ猫=ソウタ、アリス=ミナモ、という鏡の国ではなく不思議の国のアリスの構図だったけども。)ハルがロリコンであるという暗示の意味はもちろん有りそうだが(笑)、チェスを絡めさせてハルをミナモが助ける構図はまさにポーンとなって白の女王を助けるアリスのそれなのが面白いところ。もう一つ興味深い要因としてあるのが、鏡の国のアリスの登場人物である赤の女王の「その場に留まるためには全力で走り続けなければいけない」という台詞から名付けられた赤の女王仮説と呼ばれる生物学上の仮説。これは「生存競争に勝ち続けるためには、進化し続けなければいけない」というもので、エライザの行動と色々符号が重なる部分も有り、なかなか考えさせられる。
今回は(性的な意味でなく)肉体面以外で性能を発揮するホロンや、集中力があると豪語しておきながら、おそらくエロイ物を見せられて瞬殺されたソウタなどの見所もあり、かなり密度が高かった。

*1:なんで片や面積比、片や質量比