夏目友人帳 9話

偶然出会った俳優は拝み屋で、妖怪が見えるという夏目と同様の境遇にありながら、妖怪に対して全く異なるスタンスを持っていたという話。
二人のスタンスの違いは多分に夏目の「自分が傷付いても良い」という超絶お人好しな部分によるところが大きいような感じ。でも名取の方も単に自分が傷付くのが嫌って訳じゃなく、他人の痛みというものがきちんと解る人間で、人を襲う妖怪にきつく当るのはその妖怪が他の人間を襲うのを防ぐ意味合いも有る訳だし、蔵に繋がれた妖怪を祓おうとしたのもそれが開放=救いになると判断しての事だった訳で、一概にどちらがどうと言える話でもない。
それは名取に妖怪が二匹も強制でなく従ってることにも見て取れるし、蔵の妖怪を忘れていたにせよ、頭をなで誉める仕草が彼の中に残っていたことからも彼がどのような人間か窺える話。まぁ、実は女妖怪専門のたらしなだけだったりするかもしれないけど。
夏目の方も名取のスタンスを単に否定するわけでもなく、同じような境遇から何故違うスタンスになったのかを考えたり、最終的に別の考え方として認めた風だったりと色々思い悩んだ結果成長したような感じ。この認めたというのは名取も同様な訳で、だからこそ友達という言葉も出てきたんだろう。
今回友人帳は直接絡まなかったとは言え、名取との関係や蔵の妖怪が名取に名前を貰って従うようになったりといった繋がりというものを見せた、感慨深いものを残しつつも色々考えさせる良い話でした。